明倫国際法律事務所 Meilin International Law Firm

明倫弁護士事件簿 - case004 家族の幸せを取り戻したい
~ 後遺障害の認定結果に異議を申立て、当初よりも重たい等級を獲得し、適正な損害賠償の獲得を実現したお話し ~

 専業主婦の西村さんは、設計事務所で建築士として働くご主人と5歳の娘さん、2歳の息子さんと一緒に、幸せに暮らしていました。

 

 ところが、ある日車で買い物に出かけた帰り、信号停車中に後続のトラックにノーブレーキで追突され、大けがをしてしまいました。幸い命に別状はなかったのですが、結局、1年間の治療が必要となり、治療が終わった後も、首に手のひら大の傷跡が残ったほか、首から左腕にかけての痛みに悩まされるようになりました。

 西村さんは、その間、家事や子供たちの世話も十分にすることができませんでした。優しいご主人は、勤務先を休んだり早退したりして協力してくれましたが、結果として同僚に迷惑をかけてしまい、勤務先に居づらくなってしまいました。また、娘さんは、お母さんに幼稚園のお弁当を作ってもらうことができず、泣いてしまうこともありました。

 西村さんは、事故直後には入院していましたし、初めての事故にどう対応してよいかわからなかったので、治療費の支払など事故に関するお金の問題は、相手方の保険会社に任せていました。そして、保険会社の担当者に言われるままに必要だという書類を渡していました。ようやく治療が終わり、保険会社に頼んで後遺症申請の手続をしてもらった結果、首の傷跡は12級、首から左腕にかけての痛みは14級、全体として12級の後遺症が認定されました。担当者の説明では、賠償金額は400万円弱になるということでした。

 

 西村さんは、この先ずっと傷跡や痛みと付き合わなければならないこと、勤務先に居づらくなったご主人のこと、さびしい思いをした子供たちのことを考えると、保険会社の提示にはどうしても納得がいかないという思いで、ご相談にいらっしゃいました。

 最初、西村さんは弁護士費用のことを心配していましたが、幸い、ご自身の契約する自動車保険に「弁護士費用特約」がついていることが分かり、依頼にあたって弁護士費用の負担は全くありませんでした。

 

 私は、西村さんのお話をお聞きして、後遺症が正当に評価されていないのではないかと考えました。そこで、西村さんからはもちろんご主人からもさらに詳しく事情を聞き取り、治療記録を取り寄せて検討し、主治医との面談を行い、さらに必要と思われる検査を受けてもらうなどして、これらを資料にまとめ、再度後遺症申請を行いました。その結果、首から左腕にかけての痛みについて、14級から12級に等級が変更されました。結局、後遺症全体としては、傷跡の12級と合わせて、併合で11級と認定されました。

 また、後遺症の等級の問題だけでなく、保険会社が提示した慰謝料や逸失利益の額が低すぎることを主張して交渉を行い、さらに訴訟をした結果、最終的には合計で約1800万円の賠償金を獲得することができました。

 この賠償金を基に、ご主人は思い切って脱サラし、念願だった自分の設計事務所を開設しました。ご主人の才能や人柄もあって、設計事務所の経営は順調ということです。また、自宅兼事務所でのお仕事ですので、家族4人がいつも一緒に居られるため、家族のきずなが深まったと、ご夫婦ともに喜んでおられました。

 

 西村さんの件では、後遺症についての徹底的な分析と資料収集が結果を大きく左右しました。後遺症の認定は、医師の診断書を参考にしつつも、法的な評価を含んだ判断として行われるものですので、簡単に診断書を提出するだけでなく、具体的な症状にあった準備が非常に大切です。

 

 交通事故案件については、弁護士がお手伝いすることにより、不幸にして被害にあった方の不安や苦痛を少しでも和らげることができれば、という思いをもって取り組んでいます。

 

 

[2011年4月 月刊はかた掲載] 

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