明倫国際法律事務所 Meilin International Law Firm

【ベトナム】 女性労働者を雇用する企業に対する9つの注意点  (2019.11.1up)



  ベトナムにおいて織物産業や履物業界等の分野で女性労働者は重要な役割を果たしている。このような女性労働者を雇用している企業は、以下の法律規定に配慮する必要がある。


①性差別の禁止
  85/2015/ND-CP政令の第5条の1項より、企業内での男女平等が要求される。募集方針、給与、ボーナス制度、昇進機会、強制保険制度、労働安全衛生・清潔基準、営業時間、福利厚生制度等、様々な面において、企業は男女平等を確保する義務を負う。


②一定の業務に対する女性労働者の従事制限
  26/2013/TT-BLDTBXH通達により、女性労働者の健康や妊娠可能性に悪影響を与える業務に女性労働者を従事させることが禁止される。違反した場合は100万~200万VNDの罰金が課される可能性がある。


③女性労働者の権利や利益に関する問題に関する、本人への意見聴取義務
  2012年の労働法の第154条の2項により、女性労働者の権利や利益に関する問題については、雇用者は、本人に直接又は本人の代表者を通じて相談し、意見を聴取する義務がある。義務を履行しない場合、50万~100万VNDの罰金が課される可能性がある。


④妊婦健診の6カ月ごとの実施
  定期健康検診の他に、企業は女性労働者のため妊婦健診を6カ月ごとに行わなければならない。


⑤生理のための有給休暇制度
  85/2015/ND-CP政令の第7条により、生理中の女性労働者は、1日/最高30分、1カ月/最低3日(1日/30分)の有給休暇を申請できる。労働者からの希望があるのに休暇を取得させなかったときは、50万~100万VNDの罰金が課される可能性がある。
⑥妊婦労働者の仕事の確保
  2014年の社会保険法の第14条により、妊婦中の労働者は、妊婦健診のために5回(1回は1日に相当する。)まで休暇を申請できる。病院が遠い場合や異常胎児の場合には、1回は2日に相当すると見なされる。また、妊娠7カ月以上の場合、1日あたり1時間の有給休暇を申請できると規定される。


⑦産休が最低4カ月
  2012年の労働法の第157条により、出産前と出産後の産休として6カ月を付与しなければならない。双子を出産した場合、子ども一人当たり1カ月の休暇を追加すると規定される。産後4カ月が経過した後、早めに復職を希望する場合は、労働者は医師と雇用者の許可を得なければならない。


⑧1歳未満の子供の育児期間中の業務制限
  企業は、1歳未満の子どもを育てる女性労働者に対し、残業、夜勤、出張を命じることはできない。また、この期間中、一方的に雇用契約を解約できない。そして、この対象となる女性労働者は毎日60分以内の遅刻・早退ができると規定される。企業が本規定を遵守しなかった場合、100万~200万VNDの罰金が課される可能性がある。


⑨女性労働者が多い企業に対する税務制度
  78/2014/TT-BTC通達の第6条の2項により、女性労働者を使用する企業の所得税額控除部分には、職業訓練費用、企業が管理する幼稚園の管理費用、職業病や慢性疾患に関する健康検診費用などが含まれることとなる。

 

 

(2019.11.1up)