明倫国際法律事務所 Meilin International Law Firm

【ベトナム】 日越間の新型コロナウイルスに関する動向  (2020.2.26up)



【2月25日までの動向】

 

 中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症は急激な勢いで感染者数が増加し、中国国外にも広がっている。この点、韓国および日本での新型コロナウイルス感染症の危機警報が「深刻」になったことに伴い、ベトナム政府は、新型コロナウイルスの感染者の増加を避けるため、様々な対策を検討及び実行している。
 2020年2月23日に、ハノイ市人民委員会は、韓国、日本などの国々における新型コロナウイルス感染症が深刻になっている状況に対して臨時会議を開催した。この臨時会議の目的は、韓国、日本、イラン、イタリアでの感染症の発生状況を考慮して新型コロナウイルス感染症対策を検討することである。
 2月23日に、会議を主催したグエン・ドゥック・チュン委員長(ハノイ市長)は、ベトナム国家指導委員会が公式に韓国、日本の感染者数の多い国が疾患領域であると言明していないが、ハノイ市での拡大リスクが高いと主張していた。
 また、保健局のグエン・カック・ヒエン局長は今後の感染症コントロールが困難になりつつあり、中国とともに韓国、日本、シンガポールからの入国者に対して隔離措置を適用するよう提案した。
 次に、2月24日に、グエン・スアン・フック首相より主催されたCOVID-19感染症への対策を検討する会議において、コロナウイルス感染症に対する国家指導委員会(指導部)は、国防省が流行地域(中国の31省、韓国の2つの地域)から入国する人達の全員に医学的隔離措置を行うことを決定した。これを受けて、2月24日の午後、ド・スアン・トゥエン保健副大臣は、ベトナムが中国の流行地域および韓国の2つの地域からベトナムに入国する人たちに14日間の隔離措置を適用すべきと主張した。また、それに加え、ヴー・ドゥック・ダム・ベトナム副首相は、「韓国の2つの地域は中国の31省と同じように扱い、すなわち、ベトナムに来ないように人々に警告し、 流行地域からベトナムに入国する人達は、規制の通りに隔離されなければならない。」と述べた。これに従い、中国のみならずこれら韓国の2つの地域からのベトナムへの入国は、14日間の隔離措置の対象となり、事実上の入国拒否の状態となった。
 なお、政府事務所は、新たに感染症が起こっていると判断された地域、国も中国と同様な対策(ベトナムへの入国時に医療検査を行い、隔離措置を適用し、流行地域に行った人達に集中隔離管理を行うなど)を適用するよう提案している。

 

 

【2月25日までの動きの評価】


 上記の会議等の内容及び政府機関の動向からみると、日本からの入国者に隔離措置などは提案されている段階ではあるが、決定はされていない状態である。これまで、ベトナム政府は新型コロナウイルス感染症対策を検討するため、様々な会議を行っているが、最終的な対策がまだ決められていない。コロナウイルス感染症をコントロールすることが困難な問題となり、現時点は中国および韓国の最も緊急性の高い2つの地域のみに厳しい措置を適用されているが、日本などの他の国は中国と同様な対策を適用するかしないかは今後ベトナムの政府からの最終的な発言を待たなければならない。
 日本人に隔離措置などの厳しい措置を取るかどうかは実際の新型コロナウイルス感染症の状態により決められるものと言える。ただし、国籍に関わらず、ベトナムに入国する際、発熱、咳など感染を疑わせる兆候が見られた場合、適当な治療措置を講じられ、検疫官より隔離、診断テストが実施されることになる。今後の動きを、注意して確認する必要がある。

 

 

(2020.2.26up)