明倫国際法律事務所 Meilin International Law Firm

【中国】 新型コロナウィルス感染症関連の民事案件の審理に関する措置(2)  (2020.6.1up)



 中国最高人民法院は2020年5月15日、「法に従いコロナ関連民事案件を妥当に審理する若干問題に関する指導意見(二)」を公表し、契約、融資、破産問題分野において、新型コロナウィルス(以下、「コロナ」という。)により影響を受けた民事案件の審理について、主に以下の事項を示した。

 


1.契約問題

1)コロナの影響で当事者が契約通り履行できず、または履行コストが増加する場合でも、継続履行が契約目的を妨げない場合において当事者が解除を請求するときは、裁判所はそれを認めることができない。
 継続履行が契約目的を妨害した場合、解除かつ納付した前払金の返還請求を認めることができるが、買主が売主に対し、違約責任を求める請求を認めることができない。(指導意見一の1)

 

2)売買契約の履行ができるが、コロナの影響でコストが著しく増加または製品価格が減少する場合、継続履行は一方の当事者に対し不公平であるため、裁判所は価格調整をすることができる。また、納期または支払期限通り履行できない場合、裁判所は履行期限を調整することができる。なお、相手方に対する違約責任の請求を認めることはできない。(指導意見一の2)

 

3)コロナ予防物質に関連する売買契約締結後、売主が高額で二重譲渡する場合、買受人は売主に対しその販売利益を損害額として請求することができる。(指導意見一の3)

 

4)賃借人の経営収入がコロナの影響により著しく減少するため、期限通り賃料を支払えないことを理由に、賃貸人が解除かつ違約責任を請求する場合、裁判所はそれを認めることができない。

 非国有不動産を賃借して経営する場合、コロナにより営業収入が著しく減少するかまたは無くなった場合において、継続履行が非常に不公平であるときは、裁判所は賃料減免関連制度により調停することができる。調停できないときは、事情に応じて、公平原則に従い契約を変更することができる。(指導意見一の6)

 

 

2.融資問題

 コロナの影響を大きく受けた企業、特に中小企業の借金紛争に関し、中国人民銀行などが公表した金融政策を十分に考慮して、金融機関による解除の主張を認めるべきではない。コロナの影響で収入を一時的に失う個人のローンやクレジットカード返済につき、実際の状況に応じて、公平な原則に従い弁済期限を変更することができる。(指導意見二の10)

 


3.破産問題

1)企業がコロナの影響により弁済期到来の債務を返済できないため、債権者が破産手続きを申し立てたときは、裁判所は積極的に双方間の協議を促し、分割払いや弁済期延長などの方法で破産申立原因を消去すべきであり、企業に対し、早急な救助を与えるものである。(指導意見三の17)

2)人民法院は、企業が破産受理(受付)条件に適合するか判断するとき、企業が困難に陥ったのはコロナの影響によるか否かで区別して判断すべきである。
 単純にコロナの影響により困難となった場合、企業の継続的な経営能力や業界発展見込みなどの要素を相互的に考慮し、企業の返済能力を判断する。
 コロナ以前からすでに困難に陥っており、コロナにより更に経営が悪化した場合、法に従い破産申立てを受理し、市場の交代や、資源の新たな配当を実現させる。(指導意見三の18)

 

 

(2020.6.1up)