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ベトナムの進出のための情報や、コンプライアンスや契約・紛争などの進出後の問題、基本的な規制や最新の法改正など幅広い情報を提供します。

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ベトナムの輸出入規制について

2021/03/02  

ベトナムの輸出入について関連する基本的な法令は、貿易管理法(No.05/2017/QH14)、関税法(No.54/2014/QH13)とこれらに基づく各種政令となります。

●ベトナム現地法人が輸出入を行うためには

ベトナムでは、輸出入を行う範囲であれば特別なライセンスを取得する必要はありません。現地法人を設立する際に、IRC取得手続及びERC取得手続が必要となりますが、これらIRC及びERC取得申請時に行う事業内容として、輸出・輸入事業を行うことを明記することで輸出入業が可能となります。

若干の注意点としては、輸入後、ベトナムでの国内小売事業までを事業範囲として想定する場合は、上記のIRC及びERC対応のみならず、更に個別の小売事業ライセンスが必要となります。また、輸入物品等については、特別の規制がある場合もあるため、個別のケースにおいては、そのような規制がないか注意を払う必要があります。

●輸出入で扱える品目とその手続

ベトナムでの輸出入については、関連政令(No.69/2018/NĐ-CP)により、輸出入が禁じられている物品としての①輸出入禁止品目、特定の属性を持つ企業等であれば輸出入を行うことができる②特定商人指定品目、輸出入に関し許認可を取得すれば輸出入が可能となる③要許認可品目、④規制がない一般品目に区分されています。

輸出入禁止品目には、武器、軍事関連物品、花火各種、電化製品や医療器具などの特定の中古消費財などが挙げられ、その他、右ハンドル車、特定の化学製品、動植物などが挙げられます。特定商人指定品目には、効果貨幣を製造するための金属、紙、インク、機械などの物品、タバコ、葉巻などが挙げられます。要許認可品目の例は多く、ベトナム国内に生息していない農作物、植物種子類、化粧品類や食品類などが挙げられます。輸出入禁止品目以外においては、輸入に先立つ許認可が必要であり、輸出入時には通常必要となる書面に加え、これら許認可を得ていることを示す書類も必要となります。

●通関時の書類

ベトナムでの輸入通関で必要となる書類として、次のようなものが挙げられます。

  • 輸入申告書(原本2通:財務省通達38/2015/TT-BTC号に様式が定められています)
  • コマーシャルインボイス又はこれに準じる書類(写し1通)
  • 船荷証券又は運送に関する他の証明書
  • 輸入許可証(写し1通)、検査証明書(原本1通)(検査免除通知、検査結果又はこれに準じる書類)
  • 価格評価申告書(原本2通:評価申告が必要になる場合と評価申告の様式は通達39/2015/TT-BTC及び通達60/2019/TT-BTCに様式があります)
  • 特別優遇関税率を受けるために原産地証明書(CFS)の提出が求められる場合など、原産地証明書(原本1通)

●税関手続

税関は法令上、通関書類提出後、2時間以内(業務時間に限る)に提出書類を確認しなければならないこととされており、輸入品を直接検査する必要がある場合は、8時間以内に物品検査を行うこととされています。