ベトナム進出情報Q&A

ベトナムの進出の際のキーポイントや注意すべき点などをQ&A形式で
お伝えします。

ベトナムの進出の際のキーポイントや注意すべき点などを
Q&A形式でお伝えします。

ベトナムでは、どのような担保制度がありますか? ベトナムでは、どのような担保制度がありますか?

ベトナムでは、どのような担保制度がありますか?

債権回収・担保・強制執行
ベトナムでは、どのような担保制度がありますか? ベトナムでは、どのような担保制度がありますか?

ベトナムの担保制度につき、民法(91/2015/QH13)で定める担保は9種類あり(292条、下図)、法定担保は、物的担保である留置権のみとなります。その他の担保は全て約定担保であり、契約により設定できます。所有権留保の方法による担保は、2015年の改正により追加された制度となります。

約定担保の被担保債権の範囲は契約によって定められますが、契約書にこれを定めなかった場合において、法令に定めがあるときは法令に従い、法令の定めがないときは利息の支払債務、違約金支払債務、損害賠償債務なども被担保債権の範囲に含まれます(293条1項)。また、将来債務であっても被担保債権の範囲に含めることができます(同条2項)。もっとも、将来債務を被担保範囲に含める場合は、その範囲や被担保債務の履行期限について具体的な合意が必要とされています(294条)。被担保債務の数について、被担保債務は担保財産の価値を超えない限り複数設定することもできます(296条)。この場合、担保権設定者は、後順位担保権者に対して、先順位の者がいることを通知する義務を負います(296条2項)。担保権設定においては、契約書の他、担保権設定登記も法令上規定されていますが(法298条1項)、登記自体は担保の有効性に影響を与えません(法令の定めがある場合を除く)。ただし、登記の時点から第三者対抗要件としての効力が生じるため(同条2項)、担保権設定契約後は速やかに登記を行うことが望ましいでしょう。担保権設定後の登記方法や必要書類については政令(102/2017/ND-CP)に定めがあります。

担保権の実行については、実行方法に合意がなければ競売手続を行うことになりますが(同条2項)、契約において、競売、債権者による売却、債権者が担保財産を受領する方法のいずれかを定めることができます。なお、債権者が担保財産を受領する場合において、担保財産の価値が被担保債権を上回る場合、債権者はその差額を清算しなければなりません(法305条3項)。