ベトナム進出情報Q&A

ベトナムの進出の際のキーポイントや注意すべき点などをQ&A形式で
お伝えします。

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ベトナム民事訴訟制度及び強制執行制度について教えてください。 ベトナム民事訴訟制度及び強制執行制度について教えてください。

ベトナム民事訴訟制度及び強制執行制度について教えてください。

債権回収・担保・強制執行
ベトナム民事訴訟制度及び強制執行制度について教えてください。 ベトナム民事訴訟制度及び強制執行制度について教えてください。

ベトナム民事裁判手続は、民事訴訟法(92/2015/QH13)に定めがあり、強制執行制度は民事判決執行法(26/2008/QH12)に定めが置かれています。

ベトナム民事裁判は二審制を採用しています(民訴法17条1項)。ただし、例外的に監督審、再審手続が規定されており(同条2項)、その意味では三審制にも近い構造になっています。ベトナムでの民事裁判の流れ自体は大きく日本と異なるものではなく、訴状の提出に始まり、裁判所は訴状審査がなされた後、被告への通知や答弁書提出を促しながら、第一回期日を設定します。その後、準備手続が重ねられ、和解ができない場合は判決に至るというものです。日本とは異なるベトナムの特徴は、原則として裁判所による和解勧試が必要なものとして定められている点です(民訴法205条)。また、法令上は各手続において処理日数が規定されていますが、訴訟結審までの期間は長期化しやすく、数年から10年以上必要となる場合もあります。

判決の強制執行制度については、任意執行と強制執行がありますが(民執法9条)、任意執行が原則であるとされており(同条1項)、任意執行では判決結果の実現が難しい場合において、強制執行手続を講じます(同条2項)。判決が下りた後、債権者は民事判決執行機関に対して、判決執行申立てを行うことができます(民執法31条1項)。申立てが適法な場合、5営業日以内に判決執行決定が執行機関より発出されますが、この決定には、判決を執行すべき義務部分や判決の任意執行の期限が含まれています(民執法36条3項)。なお、判決等が効力を生じた日から5年以内に判決執行決定の申立てをする必要があります(民執法30条1項)。判決執行決定が発出されると、債務者は通知を受けますが、債務者が任意執行履行期間内に履行しない場合、当該期間満了から10日以内に執行官は財産確認を行い、債務者は情報提供義務を負います(民執法44条1項)。執行官による確認は、執行に足りる資産を有していない債務者に対しても、原則半年に1度の頻度で行われます(同条2項)。

強制執行は、判決決定執行決定受領日から10日以内に任意執行を行わない場合に講ぜられる執行手続となります。強制執行手続は、対象となる財産に応じて定めが置かれており(民執法第4章)、多くの場合において、差し押さえを行い、財産評価を経たのち、弁済手続を行う流れが規定されています。