ベトナム進出情報Q&A

ベトナムの進出の際のキーポイントや注意すべき点などをQ&A形式で
お伝えします。

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ベトナムでの会社破産の方法や手続、注意点を教えてください。 ベトナムでの会社破産の方法や手続、注意点を教えてください。

ベトナムでの会社破産の方法や手続、注意点を教えてください。

ベトナムからの撤退
ベトナムでの会社破産の方法や手続、注意点を教えてください。 ベトナムでの会社破産の方法や手続、注意点を教えてください。

ベトナムにおける破産手続は破産法(51/2014/QH13)に定めがあります。ベトナムにおける破産法に基づく手続は、もっぱら事業の再建計画を実施するものではなく、対象法人の資産分配を目的としたものとなっています。破産開始決定が行われる要件は法42条2項により「弁済能力を失っているとき」とされていますが、これは法4条1項に定義があり、企業等が弁済期到来日から3か月間債務の弁済をしないこととされています。企業等がこのような状態にある場合、破産申立権者による破産申立が可能となります。破産申立権者は法5条に定めがあり、債権者(同条1項)、労働者及び労働組合(同条2項)、企業等の構成員(同条5項及び6項)においては破産申立の権利を有しており、他方で企業の法定代表者、株式会社における取締役会議長、二人以上有限責任会社における社員総会議長、一人有限責任会社の所有者などは破産申立を行う義務を負っています(同条3項及び4項)。破産申立先は通常は破産債務者の本店所在地である県級人民裁判所に属し(法8条2項)、破産債務者が異なる複数の県などに支店や駐在員事務所を設置している場合や不動産を有する場合、外国にある財産又は外国に破産手続参加人がいる場合は省級人民裁判所に申立てを行うこととなります(法8条1項)。

破産手続開始決定がなされても企業の経営活動が停止するわけではありませんが、裁判官及び管財人の監察に服することとなります(法47条1項)。また、破産手続開始決定により禁止される行為が法48条1項各号として列挙されており、財産の隠蔽、散逸、贈与や無担保債権に対する弁済(開始決定後に生じた無担保債権への弁済や労働者への給与を除く。)、債権放棄、無担保債権を企業等の財産により(一部)有担保債権に転化させることなどが禁じられています。撤退を考えている企業における破産手続では、担保が付されている破産債務者の財産について、履行期が到来しても破産申立に伴いその実行が一時停止することとなりますが、裁判所がこれに代わり実効の決定を行うことで処理され、履行期が到来していない場合においては裁判所が契約を停止し、破産宣言前に各有担保債権を処理します(法53条1項)。また、破産債務者は財産目録及び債権届出を行い、管財人は債権届などをもとに債権者名簿を作成します。

その後、債権者集会が招集されますが、撤退を目的とする企業等においては、破産宣告を要請する決議を求めることで、撤退が円滑に進むことが考えられます。